生成AI活用体験談13回 AIに頼りすぎていませんか?AIが使えない時に困らないための仕事の備え

生成AIは便利な一方で、通信障害やサービス停止、社内ルールなどにより一時的に使えないこともあります。AIに頼りすぎず、AIが使えない時でも仕事を止めないための備えをしておきましょう!

「チャッピー!今日もよろしく〜♪」——しかし画面はザァァァ…と乱れ、Wi-Fiが切断。
「チャッピーなしで仕事って…どうやるんだっけ…」と途方に暮れ、机に積み上がるタスクを前に思考停止。
Wi-Fiが復活したあと、上司に「すいません…体調不良で…」と有給申請書を出す羽目に。

AIに頼りすぎていませんか?チャッピーがいなくても動ける自分に!

①生成AIは便利。でも「使えない時」のことを考えていますか?

ChatGPTをはじめとする生成AIは、文章作成、メール返信、議事録作成、資料のたたき台づくり、アイデア出しなど、さまざまな業務で活用できる便利なツールです。

一度使い慣れると、

「メール文はAIに考えてもらおう」
「Excelの集計方法はAIに聞こう」
「企画書の構成はAIに出してもらおう」

というように、日々の仕事の中で自然にAIを頼る場面が増えていきます。

しかし、ここで一度考えておきたいことがあります。

もし、今日突然AIが使えなくなったら、仕事は進められるでしょうか?
今回の4コマ漫画では、いつも頼りにしているAIキャラクター「チャッピー」が、通信障害のような状態でうまく使えなくなってしまいます。
主人公は慌ててルーターを確認しますが、メール返信、Excel集計、データ分析、企画書作成、プレゼン資料、会議準備など、やるべき仕事は山積みです。

そして思わず、
「チャッピーなしで仕事って、どうやるんだっけ……」

これは少し大げさに見えるかもしれません。
しかし、生成AIが業務に深く入り込んでいくほど、実際に起こり得る問題でもあります。

②AIに頼りすぎると、どんなリスクがあるのか

生成AIの活用そのものは、決して悪いことではありません。
むしろ、うまく使えば業務効率化や生産性向上につながります。

問題は、AIが使えない時に、自分や会社の業務が止まってしまう状態です。

たとえば、次のようなケースが考えられます。

• インターネット接続が不安定でAIにアクセスできない
• 利用しているAIサービスに障害が発生する
• アカウントや契約の問題で一時的に使えなくなる
• 社内ルール上、入力できない情報がある
• 外出先や現場でAIを使えない
• AIの回答が間違っていて、人が判断し直す必要がある

このような時に、普段からAIに任せきりにしていると、急に手が止まってしまいます。

特に、一人の社員が複数の業務を担当していることも多く、業務が属人化しやすい傾向があります。

そこにAI依存が加わると、便利になる一方で、「AIがないと回らない業務」が増えてしまう可能性があります。

大切なのは「AIを使わないこと」ではなく「使えない時も動けること」
ここで誤解してはいけないのは、AIを使わない方がよい、という話ではないということです。

生成AIは、これからの仕事において非常に有効な道具です。
文章作成のスピードを上げたり、考えを整理したり、資料作成の負担を減らしたりする力があります。

ただし、AIはあくまで「仕事を助ける道具」です。
道具が使えない時に、仕事そのものが止まってしまうと困ります。
大切なのは、普段はAIを活用しながらも、AIがない時でも、今まで通り仕事は進められる。この備えがとても重要になります。

③AIが使えない時のために準備しておきたいこと

では、AIに頼りすぎないために、会社として何を準備すればよいのでしょうか。

まず取り組みやすいのは、よく使う業務の型を残しておくことです。
たとえば、

メール返信であれば、よく使う文面のテンプレートを用意しておく。
議事録であれば、記録する項目を決めておく。
企画書であれば、基本の構成を社内で共有しておく。
AIに毎回ゼロから作ってもらうのではなく、AIが作った良い例を社内のテンプレートとして残しておけば、AIが使えない時にも活用できます。

また、AIに任せている業務ほど、次の点を確認しておくことも大切です。

• その仕事の目的は何か
• 最低限必要な情報は何か
• 最終判断は誰が行うのか
• AIを使わない場合の手順はあるか
• 社内で代わりに対応できる人はいるか

これらを整理しておくことで、AIを使う時にも、使えない時にも、業務が安定しやすくなります。

④「AIに聞けばいい」だけでは、社内にノウハウが残らない

AI活用でよく起こる問題の一つに、AIとのやり取りがその人だけのものになってしまうということがあります。

たとえば、ある社員がChatGPTを使って上手にメール文を作っていたとしても、そのプロンプトや考え方が共有されていなければ、他の社員は同じように活用できません。

また、その社員が不在の時や、AIが使えない時には、業務が止まりやすくなります。

AIを本当に会社の力にするためには、個人の便利ツールで終わらせず、社内のノウハウとして蓄積していくことが大切です。

たとえば、

• よく使うプロンプトを共有する
• 成功したAI活用例を社内で紹介する
• 業務別のテンプレートを作る
• AI利用時の注意点をまとめる
• AIを使わない場合の手順も残しておく
このような取り組みを行うことで、AI活用は一部の人だけのものではなく、会社全体の資産になっていきます。

⑤AI時代に必要なのは「丸投げ」ではなく「判断する力」

生成AIは、とても自然な文章を作ってくれます。
そのため、つい「AIが言っているから大丈夫」と思ってしまうことがあります。

しかし、AIの回答は必ずしも正しいとは限りません。
古い情報が含まれていたり、事実と異なる内容が混ざったりすることもあります。

だからこそ、AI時代に必要なのは、AIに丸投げする力ではなく、AIの回答を確認し、判断し、修正する力です。

「この内容は本当に正しいか」
「自社の状況に合っているか」
「お客様に出しても問題ない表現か」
「個人情報や機密情報を含んでいないか」

こうした確認を人が行うことで、AIは安心して使える道具になります。

⑥AI活用と同時に「備え」が必要

中小企業にとって、生成AIは大きなチャンスです。
人手不足の中でも、文章作成や情報整理、事務作業の効率化に役立ちます。
一方で、少人数で業務を回している会社ほど、AIへの依存が強くなると、トラブル時の影響も大きくなります。

そのため、これからAIを導入する企業や、すでに使い始めている企業は、
AIが使えない時にも困らない仕組みを作ること。
このことではじめて安定したAI活用につながります。

まとめ:AIがいる自分も、AIがいない自分も大切に!

生成AIは、仕事を助けてくれる頼もしい存在です。
しかし、便利だからこそ、知らないうちに頼りすぎてしまうことがあります。

AIが使える時は、積極的に活用する。
AIが使えない時は、自分で対応する。

そのためのテンプレートや手順、判断基準を社内に残しておく。
これが、これからの企業に必要なAI活用の考え方です。

AIに頼ることは悪いことではありません。
ただし、AIに任せきりにするのではなく、AIと一緒に働く力を育てていくことが大切です。

AIに頼りすぎて自分の力を手放してしまわないように——その意識があるだけで、AIとの関係はもっとバランスのいいものになります!
チャッピーも蔵人くんも、みんな仲間。でも、最終的に仕事を動かすのはあなた自身です!


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生成AI入門トピック第9回 AIに私のことがバレてる!? 「メモリ」と「学習」の違い

生成AIと話していたら、まるで私のことを知っているかのように回答してきた。そんな経験はありませんか?

「どうして、私の仕事を知っているの?」
「もしかして、どこかで調べたの?」

少し不安になるかもしれませんが、ネット上を調べてきたとは限りません。

実は、生成AIには、以前の会話を参照する「メモリ」という機能があります。
今回は、その「メモリ」と、一般的な「学習」の違いをお話しします。

※メモリの仕組みや使える機能は、生成AIによって異なります。今回はChatGPTを例にお話しします。

どうして私のことを覚えているの?

ChatGPTには、以前の会話で知った情報を自動的に参照する仕組みがあります。

仕事の話や趣味の話。
何気ない相談の中で話したことが、メモリを経由して回答に反映されます。
時には『そんなこと、いつ相談したっけ?』と、人間のほうが忘れてしまっていることもあります。

そして、生成AIは、それらの記憶、つまり「メモリ」を、質問に応じて適切に引き出して使っています。
なので、毎回同じ説明をしなくても、それらを踏まえた回答が返ってくるようになっています。

つまり、AIが自分のことを勝手に調べたのではなく、実は、自分が以前に伝えた情報を使っているだけなのです。

「メモリ」と「学習」は別のもの

一方で、皆さんも『生成AIは会話のやりとりを学習することがある』という話を聞いたことがあると思います。

そうすると、『AIが私のことを学習したのかな?』と思う方もいるかもしれません。

ですが、ここでいう「メモリ」と、AIの「学習」は別のものです。

「メモリ」は、以前共有された情報を、その人への回答に反映する仕組みです。

ChatGPTのサーバに保存されますが、ほかの人からは見えません。
なので、皆さん自身の会話にしか反映されません。

一方の「学習」は、AIのモデル自体を改善することを指します。
そして、AIのモデルは、すべてのユーザーで共有しています。
ですので、ほかの人の会話にも反映されることがあります。

このように「メモリ」と「学習」では、大きな違いがあります。

そして、自分に合った回答をしてもらうために必要なのは、主に「学習」ではなく「メモリ」です。

覚えている内容は確認できる

「メモリ」の内容は画面で確認できます。
プロンプトで「私について何を覚えていますか?」と聞いてもいいですが、設定画面なら一字一句確認できます。

設定画面の見方は生成AIによって異なりますが、ChatGPTなら、左下のアカウントのアイコンをクリックします。

「パーソナライズ」というメニューが表示されますので、選択すると、画面の中央に設定欄が開きます。

そのままメニュー画面を下のほうにスクロールしていくと「メモリ」という機能があります。

その中にある「管理」ボタンを押すと、今どんなことを記憶しているのか、一覧で確認することができます。

(※設定欄の表示方法は、バージョンによって変わることがあります。記載の情報は2026/06/25現在のものです)

覚えている内容を確認し、不要なものがあれば削除できます。
2026/06/25現在のChatGPTなら、削除してほしいメモリをチャット欄で教えてあげれば削除してくれます。

また、メモリ機能そのものを無効にすることもできます。

メモリ機能が有効になっていると、会話のやりとりが、ほかのチャットの結果に引きずられてしまうことがあります。
毎回新しい状態でチャットを始めたい場合などは、オフにしておくとよいでしょう。

まとめ

生成AIが自分のことを知っていても、どこかから勝手に調べてきたとは限りません。
以前の会話が、メモリによって参照されているだけの可能性もあります。

メモリは、その人に合った回答をするための仕組みです。
AIのモデル自体を改善する学習とは異なります。

「私のことがバレている?」と感じたら、まずはメモリの内容を確認してみましょう。
そして、何を覚えてもらうかは、自分で調整することができます。

メモリをうまく活用して、自分に合った生成AIにカスタマイズしてみましょう。


生成AI活用体験談第12回 ExcelのエラーはAIに聞けば30秒で解決!ChatGPTを使ったExcel関数トラブル対処法

「また出たーー!!関数嫌い〜!トホホ…」。

Excelの合計欄に並ぶ#VALUE!エラー。「よし、自分で解決するぞ!苦手意識克服!」と参考書を積み上げたものの——

1時間後、机に突っ伏しながら「……ギブ……チャッピー……お願い……」。チャッピーに相談すると、30秒で「原因:セル参照ミスでした」と解決。「…30秒か……はい…」。

① また出た!#VALUE!エラー 関数エラーはなぜ起きる?

Excelで関数を使っていると、突然セルが赤い「#VALUE!」や「#REF!」といったエラー表示になることがあります。今回の事務員さんは、売上データの合計を出そうとした数式でVALUEエラーが全行に並んでしまいました。

VALUE!エラーとは、数式に使われているデータの型が合っていないとき(数値を期待しているセルに文字や空白が入っているなど)に表示されるExcelのエラーメッセージです。

VALUE!

データの型が合っていない
数値のはずのセルに文字・空白・記号が混じっているときに発生

REF!

参照先のセルが存在しない
行や列を削除したことで、数式が参照していたセルがなくなったときに発生

DIV/0!

0で割り算しようとしている
割る数のセルが0または空白のときに発生

NAME?

関数名・範囲名が間違っている
関数名のスペルミスや、存在しない名前を参照したときに発生

② 「自分で解決するぞ!」 1時間後に起きたこと

「よし!自分で解決するぞ!苦手意識克服!」と、事務員さんはExcel関数完全ガイドを積み上げて奮闘しました。

セル参照とは?エラーの原因は?データの型は?——メモを取り、参考書をめくり続けること1時間。

結果は——机に突っ伏しながら「……ギブ……チャッピー……お願い……」。チャッピーが「ええっ!?大丈夫ですか!?」と心配する声が聞こえる中、ようやく白旗を上げました。

⚠️ 「自分で頑張る」が逆効果になるとき

Excelのエラー解決は、正直なところ「原因さえわかれば一瞬」で解決できることがほとんどです。しかしその「原因特定」に時間がかかるのが難しいところ。参考書を読み込んでも、自分のケースに当てはまる答えを見つけるのに時間がかかります。AIはエラーメッセージと数式を見れば、即座に原因の候補を挙げてくれます。

③ チャッピーに相談したら30秒で解決した

「チャッピー……お願い……」と、ついにAIに助けを求めた事務員さん。

チャッピーへの伝え方はシンプルです。エラーが出ている数式とエラーメッセージをそのまま貼り付けて、「なぜエラーが出るのか教えてください」と送るだけ。

💬 チャッピーへの相談例

Excelで以下の数式を入力したら#VALUE!エラーが全行に出ました。
数式:=SUM(B2:B10/C2:C10)
原因と修正方法を教えてください。

解決しました!
原因:セル参照ミスです。C列のデータに空白セルが含まれており、数値以外のデータと演算しようとしたため#VALUE!エラーが発生しています。

修正案:=SUMPRODUCT(B2:B10,C2:C10) に変更するか、C列の空白セルを0に修正してください。

「解決しました!」「……30秒か……はい……」。
1時間の奮闘がうそのように、あっさり解決してしまいました。チャッピーの「自分で頑張るのもいいですが、早めに頼ってくださいね♪」という一言が、今回の教訓をすべて表しています。

④ ChatGPTにExcelエラーを相談するときの正しい伝え方

Excelのエラーをチャッピーに相談するとき、伝え方ひとつで回答の精度が変わります。「エラーが出た」だけでは原因を絞り込みにくいため、以下の3点をセットで伝えましょう。

📋 Excelエラー相談のテンプレート

【エラーメッセージ】〇〇エラー(#VALUE! / #REF! など)が出ています
【数式】使っている数式:=〇〇(そのままコピー)
【状況】〇〇のデータを集計しようとしています
【依頼】原因と修正方法を教えてください

⑤ Excel作業でAIが特に役立つ場面

関数エラーの解決だけでなく、Excel作業全般においてAIは強い味方になります。

✅ ChatGPTが力を発揮するExcel関連の場面

・エラー解決:#VALUE!・#REF!・#DIV/0!などのエラーの原因特定と修正方法の提示

・関数の書き方:「〇〇を集計したい」と伝えれば、適切な関数と数式を提案してくれる

・VLOOKUP・IF文:複雑な条件分岐や参照関数の構造を、やさしく説明・作成してくれる

・ピボットテーブル:「このデータをこう集計したい」という要件から、手順を教えてくれる

・マクロ・VBA:「この作業を自動化したい」という要件から、VBAコードを生成してくれる

「AIに任せる」ことで生まれる時間を、もっと大切な仕事に

1時間かけてエラーと格闘していた時間が、30秒で解決できたら——残りの59分30秒を、企画のアイデアや、お客様への対応、もっとクリエイティブな仕事に使えます。AIに任せるところは任せるという判断が、仕事全体のパフォーマンスを上げる最強の戦略です。

✅ 「自分で頑張る」と「AIに任せる」の使い分け

• 自分で取り組む価値があること:判断・企画・コミュニケーション・創意工夫など、人間ならではの作業

• AIに任せるべきこと:エラー解決・関数の作成・データ整理・反復作業など、パターンがある作業

• 目安:「10分以上調べても解決しない」と感じたら、まずAIに聞いてみる

まとめ:チャッピーと最強コンビで仕事を効率よく!

「苦手意識を克服しよう!」という意欲はすばらしいですが、Excelのエラー解決はAIが圧倒的に得意な分野です。エラーメッセージと数式をそのまま貼り付けてチャッピーに聞くだけで、30秒で原因と修正方法が返ってきます。

「自分で頑張るのもいいですが、早めに頼ってくださいね♪」というチャッピーの言葉通り、頼れるときは遠慮なく頼る——それが、事務員さんとチャッピーの最強コンビの秘訣です!


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生成AI最前線第7回 AIはどこの国のものなのか? 生成AIと地政学リスクの話

生成AIは、インターネットにつながれば、どこからでも同じように使える。

そう思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、最近の動きを見ると、その前提は少しずつ変わってきています。

前回取り上げたように、Anthropic社のClaude Fable 5とClaude Mythos 5は、米国政府の指示により、発表からわずか3日で利用できなくなりました。
対象は一部のモデルでしたが、「使えるはずのAIが、国の判断で突然使えなくなる」ことを示した出来事でした。

AIは国境を越えるサービスに見えていた

ChatGPTやClaudeのような生成AIは、Webサービスとして提供されています。
そのため、世界中の利用者が、同じように使えるものに見えます。

しかし実際には、そう単純ではありません。
そのAIをどの国の企業が作っているのか。
どの国の規制を受けるのか。
データはどこで処理されるのか。
計算に必要な半導体やデータセンターを、どの国が握っているのか。

こうした要素によって、使えるAIや使える機能が変わる可能性があります。

各国が「自前のAI」を重要視し始めている

米国は、高性能AIを国家安全保障に関わる技術として見始めています。
今回のClaude最新モデル停止も、その流れの中で起きた出来事と見ることができます。

一方、中国もAIを国家戦略の重要分野として位置づけています。
米国の半導体規制などを背景に、海外技術に依存しすぎず、自国でAIを開発し、使える体制を強めようとしています。

EUも、独自のAI基盤づくりを進めています。
EUはAI Actのようなルール整備だけでなく、AI Factoriesなどの取り組みによって、域内でAIを開発・活用するための基盤を整えようとしています。

つまり、各国はAIを単なる便利なサービスではなく、自分たちで持ち、管理すべき重要な技術として見始めているのです。

日本でも進む「自前のAI」づくり

この話は、日本にも関係があります。

日本でも、海外のAIを使うだけでなく、自前でAIを作り、管理し、活用するための取り組みが進んでいます。

たとえば、デジタル庁は政府職員向けの生成AI利用環境「源内」を展開しています。
経済産業省のGENIACでは、国内の生成AI開発力を高めるため、計算資源の提供や開発支援が進められています。

民間でも、NTTのtsuzumi 2のような国産のAIモデルが提供され、図表やグラフを含む日本語ビジネス文書を扱うアップデートも発表されています。
研究開発の面では、LLM-jp-4のようなオープンな国産モデルも公開されています。

もちろん、これらがすぐにChatGPTやClaudeを置き換えるわけではありません。
しかし、海外AIを使うだけでなく、国内でもAIを作り、選べる状態にしておくことは、これからますます重要になります。

まとめ

生成AIは、便利な道具であると同時に、国や地域の戦略にも関わる技術になりつつあります。

これからは、「どのAIが賢いか」だけでなく、「そのAIを安定して使い続けられるのか」も重要になります。

海外のAIを使うこと自体が悪いわけではありません。
ただ、ひとつの国、ひとつの企業、ひとつのサービスに依存しすぎると、政策や国際情勢の変化に影響を受ける可能性があります。

生成AIを使う時代には、AIの性能だけでなく、その背景にある国や制度、提供元にも目を向ける必要があるのです。


生成AI活用体験談第11回 ChatGPTとClaudeを使い分けて文章を磨く!複数AIをチームとして活用するステップアップ術

「よし!チャッピー、企画書できた!誤字脱字チェックお願い!」
——チャッピーが2か所を見つけつつ文章も少し磨いてくれると、「さすがチャッピー!……でもせっかくだから、蔵人くんにも添削お願いしようかな♡」。

チャッピーのジト目をよそに、蔵人くん(Claude)がひと言。
「より良い企画書にしましょう。ここをこう変えると刺さりますよ。」——チャッピーも蔵人くんも、みんな仲間!AIを使い分けて文章をもっと磨こう。

① まずチャッピーに誤字脱字チェックを依頼した

企画書が仕上がった事務員さん。
「よし!チャッピー、誤字脱字チェックお願い!」と提出前の最終確認をお願いすると、「おまかせください!」とチャッピーが応答。結果は「2か所ありました!あと文章も少し磨きましたよ」。

誤字脱字を発見しつつ、文章を自然に整えてくれる——これは、ChatGPTが得意とする「スピーディな全体確認」の典型的な使い方です。

② 続けて蔵人くん(Claude)にも添削を依頼した

「せっかくだから」と、今度は蔵人くん(Claude、Anthropic開発)に企画書を見てもらうことに。

すると——「より良い企画書にしましょう。ここをこう変えると刺さりますよ。」と、構成や表現の一歩踏み込んだ提案が。

チャッピーがジト目でそっぽを向いているのを見た事務員さん、慌てて「ごめんね〜チャッピー!チャッピーがいてくれたから、蔵人くんにも頼んだんだよ!怒らないでね。」

——チャッピーは「別に怒ってません…」とぼそり。
このやりとり、ほほえましいですが実はとても理にかなっています。チャッピーがいなければ、そもそも蔵人くんに渡せる状態にはなっていなかったのですから。

③ ChatGPT(チャッピー)とClaude(蔵人くん)の違いは?

ChatGPTはOpenAIが開発した汎用型生成AIで、スピーディな全体確認・幅広いタスクに強みがあります。ClaudeはAnthropicが開発した対話・文章生成に特化した生成AIで、文章の論理構成や表現の深い磨き上げを得意としています。

チャッピー

誤字脱字チェック全体の流れ確認万能・スピード重視
何でもこなせる万能選手。まず最初に投げる相手として最適。素早くざっくり仕上げてくれる

蔵人くん

Claude(Anthropic開発)
論理構成の深掘り表現の磨き上げ長文・丁寧さ重視
対話・文章生成に特化。「ここをこう変えると刺さる」という踏み込んだ提案が得意

④ 2段階AIレビューの手順——チャッピー→蔵人くんで文章を仕上げる

今回の事務員さんが自然に実践したのは、「まず全体チェック → 次に深掘り磨き」という2段階のAIレビューです。この流れは、文章のクオリティを段階的に引き上げる、実践的な活用法です。

1 チャッピー(ChatGPT)へ:
誤字脱字・文章の流れ・全体的な整合性を確認してもらう

2 蔵人くん(Claude)へ:
論理構成・表現の深掘り・「刺さる」言葉への磨き上げを依頼する

3 自分で最終確認:
2つのAIの提案を受け取り、最終的に人間の目で仕上げる

✅ 2段階AIレビューが効果的な文章・場面

チャッピー:誤字脱字チェック、文章の全体的な流れの確認、素早い下書き作成
蔵人くん:企画書・提案書の論理強化、読み手に刺さる表現への磨き上げ、長文の要約・再構成
チャッピー:メール・報告書のざっくり下書き、アイデア出しの量産
蔵人くん:下書きをベースに、目的・読者に合わせた文体への精度アップ

⑤ 複数のAIをチームとして使うことのメリット

「チャッピーだけに頼めばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、複数のAIに同じ文章を見てもらうことには、明確なメリットがあります。

✅ 複数AIをチームとして使うメリット

• 多角的な視点:異なる特性を持つAIが、それぞれ別の観点から気づきを出してくれる
• 精度の底上げ:1つのAIでは見逃した点を、別のAIが拾ってくれることがある
• 段階的な仕上がり:「全体チェック → 深掘り磨き」と段階を踏むことで、文章が着実によくなる
• 得意分野の使い分け:スピードはチャッピー、深さは蔵人くん、と役割を明確に分けられる

「チャッピーがいてくれたから、蔵人くんにも頼めた」——これが成長の証

「チャッピーがいてくれたから、蔵人くんにも頼んだんだよ!」という事務員さんのセリフは、単なるフォローではありません。チャッピーで最初の仕上げをしてから次のAIに渡す——というAIを段階的に活用する発想が自然に身についてきた、成長の証です。

まとめ:チャッピーも蔵人くんも、みんな仲間!

ChatGPT(チャッピー)とClaude(蔵人くん)は、どちらが優れているかではなく、それぞれの得意分野を活かして使い分けるのが正解です。

誤字脱字チェックや全体の流れ確認はチャッピー、表現の深掘りや論理の磨き上げは蔵人くん——この2段階のAIチームで、文章をもっと磨いてみてください。

AIは競合ではなく、使う人の目的に合わせて選べる「チームのメンバー」です。チャッピーも蔵人くんも、みんな仲間!です!

生成AI入門トピック第8回 生成AIの答えが「なんか違う」と思ったときは

「悪くはないけど、なんか違う」
「このままじゃ使えそうにない」

生成AIに頼んでみたものの、返ってきた答えを見て、そう感じたことはありませんか?
そんなとき、「やっぱりAIは難しい」と思ってしまうかもしれません。
でも、それは失敗ではありません。

むしろ、「なんか違う」と感じたときこそ、自分が本当は何を求めていたのかに気づくチャンスです。

今回は、生成AIの答えが思っていたものと違ったときの考え方をお話しします。

「なんか違う」は、失敗ではない

生成AIの最初の答えが、思っていたものと違うことはよくあります。

でも、それは必ずしもAIが使えないということではありません。
こちらの中にある目的やイメージが、まだ十分に言葉になっていないだけかもしれません。

人に相談するときも、話してみて初めて、

「そうじゃなくて、言いたかったのはこっちだった」
「聞きたかったのは、そこではなかった」

と気づくことがあります。

生成AIとのやり取りでも、同じことが起こります。

最初の答えは、完成品ではなく出発点です。
「なんか違う」と感じたら、そこから少しずつ直していけばよいのです。

違和感の正体を少しだけ言葉にしてみる

「なんか違う」と感じたときは、その違和感を少しだけ言葉にしてみましょう。

たとえば、

「少し堅い気がする」
「思ったより長い」
「知りたいところと少しずれている」

このくらいで大丈夫です。

最初から、正確に説明する必要はありません。
大切なのは、自分がどこに引っかかっているのかを、少しでも言葉にしてみることです。

すると、生成AIも次にどう直せばよいかを考えやすくなります。

「違う」とだけ思っていると、そこで止まってしまいます。
でも、「どこが違う気がするのか」を少し言葉にすると、次のやり取りに進みやすくなります。

うまく言えないときは、AIに一緒に考えてもらう

とはいえ、違和感をうまく言葉にできないこともあります。
そんなときは、そのまま生成AIに伝えても構いません。

「この答えは少し違う気がします。どこが違和感になっているのか、一緒に整理してください」

このように頼めば、生成AIが考える観点を出してくれます。
自分一人ではぼんやりしていた違和感も、質問されたり、観点を出されたりすると、少しずつ見えてくることがあります。

まとめ

生成AIの答えが「なんか違う」と感じても、それは失敗ではありません。
その違和感は、自分が本当は何を求めていたのかを見つけるきっかけになります。

まずは、「少し堅い」「長い」「知りたいことと違う」など、違和感を少しだけ言葉にしてみる。
それが難しければ、生成AIに一緒に考えてもらう。
それだけでも大丈夫です。

自分の思いを言葉にするのは意外と難しいものです。
ですので、一回で正解を出そうとせず、やり取りをしながら少しずつ形にしていきます。

「なんか違う」と思ったときこそ、そこで終わらせず、もう一度話しかけてみましょう!

生成AI最前線第6回 使えるはずのAIが突然止まる? Claude最新モデル停止から考えるAI依存のリスク

生成AIは、いつでも使える便利な道具。
これからはAIで仕事をする時代。

そう思っていた方も多いのではないでしょうか。
しかし、その前提が揺らぐ出来事が起きました。

Anthropic社が新たに公開したClaude Fable 5と、限定提供されていたClaude Mythos 5が、発表からわずか数日で使用できなくなったのです。

わずか数日で使えなくなった最新AI

Anthropic社は2026年6月9日、Claude Fable 5とClaude Mythos 5を発表しました。

Fable 5は、一般利用向けに公開された高性能モデルです。
一方のMythos 5は、サイバー防御を目的に、限られた専門家や組織向けに提供されるモデルです。

ところが、そのわずか3日後、6月12日にAnthropic社は両モデルへのアクセスを停止すると発表しました。
理由は、米国政府からの指示です。

今回の対象は、すべてのClaudeモデルではありません。
しかし、最新のAIモデルが発表から数日で使えなくなったという事実は、とても大きな意味を持っています。

なぜ止められたのか

Anthropic社の説明によると、米国政府は国家安全保障上の権限を理由に、Fable 5とMythos 5へのアクセス停止を求めました。
背景には、Fable 5の安全装置を回避する、いわゆる「脱獄(ジェイルブレイク)」への懸念があったとされています。

一方で、Anthropic社はこの判断に同意しているわけではありません。
同社は、確認された内容は限定的であり、同程度の能力は他の公開モデルでも見られると説明しています。

つまり、政府側は「安全保障上のリスクがある」と見ており、Anthropic社は「その判断は過剰ではないか」と見ているわけです。

ただ、どちらの主張が正しいかは、今日のポイントではありません。
いま考えたいのは、法令や政府の指示によって、AIサービスが突然止まり得るという点です。

注目すべきは「外国籍者」が対象になったこと

そして今回、特に重く見るべきなのは、アクセス停止の対象です。

米国政府の指示は、米国内外を問わず、外国籍者によるFable 5とMythos 5の利用を停止する内容だったと説明されています。
つまり、どこに住んでいるかではなく、国籍によってAIへのアクセスが制限され得るということです。

これを単純に「外国人排斥」と言い切るのは慎重であるべきです。
しかし、少なくとも、生成AIが国籍や地政学の影響を受ける技術になってきたことは間違いありません。

日本の利用者にとっても、これは他人事ではありません。
米国企業のAIを使っている以上、米国の政策変更によって、ある日突然、使えるモデルや機能が変わる可能性があるからです。

生成AIは戦略技術になりつつある

これまで生成AIは、文章作成や調べ物、プログラミングを助ける便利なツールとして広がってきました。

しかし、高性能なAIは、それだけにとどまりません。
ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ、科学研究、軍事、重要インフラにも関わる力を持ち始めています。

そうなると、生成AIは単なるITサービスではなくなります。
半導体や暗号技術のように、国家が管理すべき戦略技術として扱われる場面が増えていくでしょう。

今回止まったのは、Fable 5とMythos 5だけです。
すべてのClaudeモデルが使えなくなったわけではありません。

それでも、「ある日突然、特定のAIが使えなくなる」という事態は、現実のものになりました。

私たちはどう備えるべきか

では、私たちはこの出来事をどう受け止めればよいのでしょうか。

まず大切なのは、特定のAIに依存しすぎないことです。

仕事で使う場合は、別のAIサービスでも同じ作業ができるか確認しておく。
AIが使えない場合に、人間だけで進める手順を残しておく。
重要なデータやプロンプトを、ひとつのサービスの中だけに閉じ込めない。

こうした備えが必要になります。

まとめ

生成AIは、これからますます便利になります。
しかし同時に、企業の判断、政府の規制、国際情勢によって利用条件が変わる可能性もあります。

今回のニュースは、Claudeだけの問題ではありません。

生成AIを使う時代には、「どう使うか」だけでなく、「使えなくなったらどうするか」まで考えておく必要があるのです。

生成AI活用体験談第10回 ChatGPTの「なりきりプロンプト」が便利!AIでロールプレイを活用しよう! 

「優秀なコピーライターになりきってキャッチフレーズもつけてね!」とお願いしたら、チャッピーはサングラスをかけて「イケイケ〜!バリバリ考え中〜!」とノリノリに。さらに「社長になりきってダメ出しして!」と頼んだら——なんともユニークな展開に。

AIは言われた通り”なりきる”のが得意!この「なりきりプロンプト」、実はとても優秀な機能なんです。

① 「優秀なコピーライターになりきって」とお願いしてみた

「チャッピー、社内会議に提出する夏のドリンク企画を5案作って!優秀なコピーライターになりきってキャッチフレーズもつけてね」。事務員さんのお願いに、チャッピーは「まかせてください!」と即答。

💬 チャッピーが作成した企画案

夏のドリンク企画案(5案)
①「キミの夏に、シュワ革命。」
②「ゴクゴク、青春リフレッシュ!!」
③「ひんやり、恋する夏。」
④「のど越しで、気分アゲるよ!」
⑤「夏を、もっとおいしく。」

「さすが〜チャッピー!」と事務員さんも大満足。「コピーライターになりきって」という指示によって、キャッチーで勢いのあるフレーズが揃いました。これがなりきりプロンプト(ロールプレイ指示)の力です。

② なりきりプロンプトとは?——役割・立場・特性を自由に設定できる

なりきりプロンプトとは、AIに対して「役割」「立場」「特性」を指定し、その設定に基づいた視点・口調・専門知識で応答させる指示のことです。

社内の役職、専門職、お客様役、営業担当者、コールセンターのオペレーターなど、設定は自由自在です。

「コピーライターになりきって」のように、職業を指定するだけでなく、「新人のお客様対応に慣れていない営業担当として」「商品に不満を感じているお客様として」のように、経験レベルや感情・性格などの特性を組み合わせて設定することもできます。

🏢 社内の役職・立場
社長、経営層上司、部長、新入社員、他部署の担当者等

🎓 専門職
コンサルタント、デザイナー、イラストレーター、コピーライター、法律家、税理士等

🤝 対外対応・接客
営業担当コールセンターのオペレーター、お客様対応部門の社員、採用面接官、応募者等

※ここで挙げているのはあくまで一例です。役割・立場・特性は自由に組み合わせて設定できます。

③ AIロールプレイの強み

「社長になりきってダメ出しして」のような使い方だけでなく、近年は営業研修やコールセンターの教育現場でも、AIを相手にしたロールプレイが本格的に導入されています。背景にあるのは、AIロールプレイが持つ3つの強みです。

⚡効率性
相手役・評価役の確保が不要になり、研修にかかる時間やコストを大幅に削減できる

📏客観性
話すスピードや言葉選びなどを一定の基準で評価でき、担当者ごとのばらつきが出にくい

🔁反復性
時間や人手の制約なく、何度でも・さまざまなパターンで練習を繰り返せる

このように、なりきりプロンプトは個人のアイデア整理や事前チェックだけでなく、組織全体の営業力や顧客対応スキルの向上に貢献することが期待されているテクニックです。

④ 「社長になりきってダメ出しして!」——AIで精度をあげていく

この調子なら、と事務員さんは次にこう頼みました。「この会議は社長が出席するから、社長対策しておかなきゃ。社長になりきってダメ出ししてみて!」。チャッピーは「承知しました!」と元気に応答。

これは、「社長ならどこを突っ込みそうか」を本番前に洗い出す、実用的な使い方です。社長のチェックが入る会議だからこそ、「コストの根拠は?」「競合との違いは?」といった、社長の視点に立った想定質問やツッコミをあらかじめ準備できれば、当日の対応に大きな差が出ます。

翌日の会議——なぜかチャッピーは、見た目までどこか社長に似た姿(髪型までそっくり!)で登場し、本物の社長がジト目でじーっと見つめる……という、なんともシュールなオチに。

AIに「なりきって」と頼むと、視点や発言内容だけでなく、見た目やキャラクター性まで全力で再現しようとすることがある——という、AIらしいユーモアの一場面でした。

⑤ 広がる「AI社長」「AI役員」「AI秘書」

なりきりプロンプトの発想は、ニュースでもありますが、AIに役割を与える使い方だけでなく、企業が公式に設計・運用するAI人格としても広がっています。

🧑‍💼AI社長
企業理念や過去の発言を学習し、経営方針に関する質問に答える社内向けAI

📊AI役員
特定分野(財務・人事など)の視点で意思決定をサポートするAIアドバイザー

📅AI秘書
スケジュール調整・メール対応・情報整理などを担うパーソナルAIアシスタント

⑥ なりきりプロンプトのテンプレート例

では、なりきりプロンプトの例をご紹介します。

📋 なりきりプロンプトのテンプレート

【役割・立場・特性】〇〇になりきって(社内の役職/専門職/お客様役など)
【設定の補足】〇〇という状況・性格として
【対象】この〇〇(企画書・会話・文章など)について
【出力】〇〇してください(指摘する/会話する/提案するなど)

例:「社長になりきって、この企画書を確認してください。特にコストの根拠とスケジュールの妥当性の観点で、質問されそうなことを3つ挙げてください。」

例:「新規導入を検討しているお客様役として、当社の提案に対して質問してください。少し懐疑的な反応でお願いします。」

✅ なりきりプロンプトのポイント

•役割・立場・特性は自由に設定でき、組み合わせも可能
•事前チェック・アイデア出しになど、業務に応用できる
•効率性・客観性・反復性が高く、繰り返しのトレーニングに向いている

まとめ:なりきりプロンプトは「視点と練習相手」を増やす優秀な機能

チャッピーが社長そっくりの姿で登場したのは、思わず笑ってしまうオチですが、「社長になりきってダメ出しして」「コピーライターになりきって」という発想そのものは、とても優秀なプロンプトテクニックです!

役割・立場・特性を自由に設定できることから、事前チェックはもちろん、営業やコールセンターの研修など、組織全体のスキル向上にも活用が広がっています。

AIが多少演出を効かせてきても、それも込みで楽しみながら、チャッピーとの「なりきりプロンプト」をぜひ活用してみてください!

生成AI入門トピック第7回 AIのオススメを断れない! 提案に流されないための小さなコツ

生成AIを使っていると、回答の最後に「次は○○できます」「○○に進みましょうか?」と提案されることがあります。

親切で便利な機能ですが、慣れないうちは、その提案に流されてしまうこともあります。
気づいたら、最初にやりたかったことからだいぶ離れている……。
そんな経験はないでしょうか?

今回は、そんなときに目的を見失わないための考え方とコツをご紹介します。

生成AIはよく「次の一手」を提案してくれる

生成AIは、こちらの依頼に答えたあと、次にできることを提案してくれることがあります。

「この内容をもとに本文を書けます」
「表に整理できます」
「タイトル案も作れます」

こうした提案は便利です。
自分では思いつかなかった進め方に気づけることもあります。

オススメには従わなくてもいい

そうやってオススメされると、つい「それもやった方がいいのかな」と思ってしまうことがあります。
まだ慣れていない作業だと、特に流されやすいでしょう。

しかし、生成AIの提案は命令ではありません。
あくまでも選択肢です。

最初の目的が「メールを短く整えること」だったなら、タイトル案や企画書化まで進める必要はありません。

迷ったら「何がしたかったんだっけ?」に戻る

オススメに乗るか迷ったら、いったん最初の目的に戻ります。

「今、自分は何をしたかったのか」
「このオススメは、目的に役立つのか」
「今やる必要があるのか」

この3つを考えるだけでも、流されにくくなります。
ここが今日一番のポイントです。

断る言葉を用意しておく

もし、生成AIに人間味を感じて申し訳ない気持ちになるなら、断りの言葉を考えておくのも手です。

例えば、こんなふうに伝えられます。

「ありがとう。今は大丈夫です」
「いったん最初の目的に戻っていいですか?」
「その前に○○について考えてもいいですか?」

断るというより、進む方向を自分で決める感覚です。
生成AIに任せきりにするのではなく、自分の目的に合わせて使うことが大切です。

まとめ

生成AIのオススメは、とても便利です。
ただし、すべてに従う必要はありません。

オススメに乗ってもいい。
断ってもいい。
途中で戻ってもいい。

迷ったら、「何がしたかったんだっけ?」と一度立ち止まる。
必要なければ、「今はそこまでしなくて大丈夫」と伝える。

それだけで、オススメに流されず、自分のペースで使いやすくなります!

生成AI活用体験談第9回 ChatGPTに長い相談をするなら「最後まで聞いてから答えて」と最初に伝えるだけで変わる!

「3回に分けて状況を説明するので、全部聞いてから回答してください」——たったこの一言を最初に添えるだけで、ChatGPTとのやりとりがぐっとスムーズになります。長い相談は、「最後まで聞いてから回答してください」と最初に伝えるとスムーズです!

① 「3回に分けて説明するので、全部聞いてから!」

複雑なクレーム対応について相談したい事務員さん。
状況が複雑なので、「3回に分けて説明するので、全部聞いてから回答してください」と最初にひとこと伝えました。

するとチャッピーも「わかりました!全部聞いてから回答しますね。どうぞ!」とフリフリしながら待機モードに。
この「最初の一言」が、今回のポイントです。

② 状況を3回に分けて説明した

💬 実際のやりとり再現

事務員さん:3回に分けて状況を説明するので、全部聞いてから回答してください。

チャッピー:わかりました!全部聞いてから回答しますね。どうぞ!

①事務員さん:お客様から商品の不具合でクレームが来ました。続きます。
チャッピー:続きをどうぞ!

②事務員さん:上司はすでに謝罪済みですが、お客様がまだ納得していません。続きます。
チャッピー:続きをどうぞ!

③事務員さん:私が改めてお詫びメールを送ることになりました。どんな内容にすればいいですか?以上です。
チャッピー:全部聞きました!回答しますね!!(ブンブンブン♪)

③ なぜ「最初の一言」がそんなに大事なの?

ChatGPTは、メッセージを受け取るたびに「これが完結した依頼だ」と判断して回答しようとします。
つまり何も言わずに「①お客様からクレームが来ました」と送ると、その時点で「では謝罪メールを書きましょう」と回答してしまうのです。

❌ 一言なしで送ると

「①クレームが来ました」
 ↓ AIが途中で回答
「では謝罪しましょう」

「②上司が謝罪済みです」
 ↓ またAIが回答
「それは大変でしたね」

全体像を把握できないまま
バラバラな回答になってしまう
✅ 最初に一言添えると

「3回に分けます。全部聞いてから回答を」
 ↓ AIが待機モードに
「①クレームが来ました」→「続きをどうぞ」
「②上司が謝罪済みです」→「続きをどうぞ」
「③メールを送ります。以上」
 ↓
全体像を把握したうえで
的確な回答が得られる!

⚠️ 途中で回答されてしまうと何が困る?

状況の一部しか知らないまま回答されると、的外れなアドバイスになりやすいです。

今回のケースでは「上司がすでに謝罪済みで、お客様がまだ納得していない」という重要な前提を知らないまま「まずは謝罪しましょう」と言われても困ります。

複雑な状況ほど、全体を伝えてから回答をもらう方が圧倒的に精度が上がります。

④ この技が役立つ場面はこんなにある

📋 「全部聞いてから」が効果的なシーン

・クレーム対応経緯・対応状況・現状を順番に伝えてから、対応策や文章を依頼する
・企画・提案作成背景・目的・制約条件を分けて説明してから、企画書の構成を依頼する
・人間関係の相談状況・相手の立場・自分の気持ちをすべて話してから、アドバイスをもらう
・業務フローの整理現状の手順を複数に分けて説明してから、改善案を依頼する
・長文の添削依頼文章を複数のブロックに分けて貼り付けてから、まとめての添削を依頼する

⑤ すぐ使える!「全部聞いてから」の伝え方フレーズ集

状況に応じて、最初のメッセージにこれらのフレーズを添えるだけです。

📋 そのまま使えるフレーズ

【回数を伝える場合】
「〇回に分けて状況を説明するので、全部聞いてから回答してください。」

【長文を分割する場合】
「長いので複数に分けて送ります。「以上です」と送ったら回答してください。」

【条件を整理してから頼む場合】
「背景・状況・依頼内容の順に説明します。最後まで聞いてからアドバイスをください。」

【シンプルに伝える場合】
「まとめて説明するので、途中で回答せず最後まで聞いてください。」

「以上です」の一言で、AIに完了を知らせよう

分割して送る場合、最後のメッセージに必ず「以上です」「ここまでです」と添えましょう。

これがAIにとっての「説明終了のサイン」になります。漫画でも事務員さんが「以上です。」と締めたとたん、チャッピーが「全部聞きました!回答しますね!!」とブンブン喜んでいましたね。

✅ 分割送信のベストプラクティス

•最初のメッセージで「〇回に分けます・最後まで聞いてから」と宣言する

•各メッセージの末尾に「続きます」を添えると、AIが待機しやすくなる

•最後のメッセージで「以上です」と明示して完了を知らせる

•最後に質問・依頼内容を明確に書くと、回答の精度がさらに上がる

まとめ:たった一言の「予告」がAIを最強の相談相手にする

「3回に分けて説明するので、全部聞いてから回答してください」——このひとことを最初に添えるだけで、チャッピーは辛抱強く全体像を把握してから、的確な回答を出してくれます。

複雑な状況をAIに相談するとき、バラバラな回答に困った経験がある方はぜひ試してみてください。チャッピーとのやりとりが、ぐっとスムーズで頼もしいものになるはずです!