「チャッピー、大阪のお客様に親しみやすい感じでメールを作って!」——どやっと仕上がってきたのは、「おおきにでっせ〜!めっちゃ楽しみにしてまっせ!!」という、関西弁全開の返信メール。
“親しみやすい”の解釈はAIによって違うかも!トーンや雰囲気は具体的に伝えましょう。
① 大阪のお得意先から来訪の連絡が!
「わぁ!大阪のお得意先さんが来てくれるんだ!楽しみですね!」。受信トレイに届いた丁寧なメール——「いつもお世話になっております。大阪支社のOOです。ぜひ一度、御社へご挨拶に伺いたいです。都合はいかがでしょうか。」
温かみのある返信を送りたい。そこで事務員さんはチャッピーに依頼することにしました。
② 「親しみやすい感じで」とお願いしたら…
「チャッピー、親しみやすい感じで、”ぜひ来てください!”って返信メールを作って!」
「おまかせください!!」——どやっと仕上がってきたのがこちらです。
返信メール(作成中) 宛先:〇〇様
❌ チャッピーが作ったメール
〇〇様
おおきにでっせ〜!
ぜひぜひ来たってくださいな!
社員一同、めっちゃ楽しみにしてまっせ!!
当日は気いつけてお越しくださいな😊
何かあったら、なんでも言うてくださいな!
ほな当日よろしゅう頼みますわ〜!!
待ってま〜す♪
株式会社△△ 営業部一同
📝 親しみやすさMAXです!!
「なんでやねん!コテコテやないかい!」——事務員さんの突っ込みももっともです。「わはは〜」「ほな、さいなら〜」とチャッピーは満足げですが、これはビジネスメールとして送れません。
③ なぜこうなった?「親しみやすい」は曖昧なワード
チャッピーは悪くありません。「親しみやすい」という言葉を、AIなりに誠実に解釈した結果がこれです。AIには「ビジネス上の適切な距離感」「日本のビジネスマナー」「相手との関係性」といった暗黙の前提が伝わっていなかったのです。
⚠️ AIに「感覚的な言葉」だけで頼むと起きること
「親しみやすい」「やわらかく」「フレンドリーに」などの感覚的な言葉は、人によって・AIによって解釈が大きく異なります。第3話の「シュッとして、ふわっとして」と同じ問題です。AIは指示された言葉を文字通りに最大化しようとするため、想像を超えた結果になることがあります。
④ トーン指定は「感覚語」を「具体語」に変えよう
「親しみやすい」という言葉を使いたいなら、それがどんな状態なのかを言語化して添えることが大切です。
「親しみやすく」
❌ これだけでは伝わらない
✅ 「丁寧語を使いつつ、堅苦しくなりすぎない温かみのある文体で」
「やわらかく」
❌ これだけでは伝わらない
✅ 「敬語は保ちながら、句読点を多めに使ってテンポよく」
「フレンドリーに」
❌ これだけでは伝わらない
✅ 「ビジネスメールの礼儀は守りつつ、歓迎の気持ちが伝わるように」
「明るく元気に」
❌ これだけでは伝わらない
✅ 「感嘆符は使わず、前向きな言葉を選んで簡潔に」
正しい指示で作り直してみよう
トーンを具体的に伝え直すと、このような仕上がりになります。
修正後の指示
「〇〇様への返信メールを書いてください。
・ビジネスメールの礼儀は守る(敬語・です・ます調)
・来訪を心から歓迎する気持ちが伝わるように
・堅苦しくなりすぎず、温かみのある文体で
・方言や感嘆符は使わない
・200文字程度」
修正後のメール 宛先:〇〇様
✅ 適切なビジネスメール
〇〇様
ご連絡いただきありがとうございます。
ぜひご来社ください。社員一同、心よりお待ちしております。
ご都合に合わせて日程を調整いたしますので、お気軽にお申し付けください。
当日お会いできることを楽しみにしております。
株式会社△△ 営業部
⑤ すぐ使える!ビジネスメールのトーン指定テンプレート
メール作成プロンプトのテンプレート
【宛先・関係性】
〇〇様(取引先/初対面/長年のお付き合いなど)への返信メール
【目的】〇〇をお伝えする(来訪歓迎/お礼/日程調整など)
【文体】敬語・です・ます調、〇〇な雰囲気(堅すぎず柔らかすぎない など)
【禁止事項】方言・感嘆符・絵文字は使わない
【文字数】〇〇文字程度
✅ トーン指定で使える具体的な言葉リスト
•「丁寧語は保ちながら、読みやすいテンポで」
•「歓迎・感謝の気持ちが自然に伝わるように」
•「形式的になりすぎず、人間味のある表現で」
•「簡潔に、でも冷たくならないように」
•「文末表現を単調にせず、少しバリエーションをつけて」
まとめ:AIへの「感覚語」は必ず「具体語」とセットで
「親しみやすさMAXです!!」と誇らしげなチャッピーを責めることはできません。指示通りに、全力で応えてくれたのですから。ただ、その「全力」が私たちの想像と違う方向に向かってしまうことがある——それがAIの面白さでもあり、使いこなすポイントでもあります。
「親しみやすい」「やわらかく」「フレンドリーに」と伝えるときは、必ずその言葉の中身を一緒に説明しましょう。言葉を丁寧に言語化する習慣が、チャッピーとのやりとりをぐっと上質にしてくれます!

