生成AI最前線第5回 AI動画に「印」がつく時代へ 本物とフェイクをどう見分けるか

ニュースで見かけた政治家の発言
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それらが本物かどうか、皆さんは自信を持って言えるでしょうか。

最近は、有名人になりすました投資詐欺の広告や、本人そっくりの声で家族を装う電話なども出てきています。
「見れば分かる」が通用しにくい時代になりつつあるのです。

YouTubeがAI動画にラベルをつけ始めた

YouTubeは2026年5月から、AIで作られた、または大きく加工された動画に対して、分かりやすいラベルを表示する取り組みを強化しています。

これまでは、投稿者が「AIを使いました」と自己申告することが中心でした。
しかし今後は、投稿者の申告がなくても、YouTube側のシステムが本物そっくりのAI動画を検知した場合、自動でラベルをつけることがあります。

長い動画では動画の下に、ショート動画では映像に重ねる形で表示されます。
フェイク動画が増えている中で、これは私たち見る側を守るための一歩と言えます。

本物を見分ける仕組みも進んでいる

こうした取り組みは、YouTubeだけではありません。
いま世界では、画像や動画に「どのように作られたのか」という履歴を残す仕組みづくりも進んでいます。

誰が、いつ、どんなツールで作ったのか。
どのように編集されたのか。
そうした情報を、後から確認できるようにする仕組みです。

また、グーグルはSynthIDという電子透かし技術を使い、AIで作られた画像や動画、音声に、目に見えない印を入れています。

本物と偽物を見分けるための仕組みが、少しずつ整えられているのです。

それでも「AI印」は万能ではない

ただし、AIラベルや電子透かしがあれば安心、というわけではありません。

画像や動画を強く加工したり、別のAIで作り直したりすれば、検知をすり抜けるものも出てきます。
フェイクを作る側と、見分ける側のいたちごっこは続いていきます。

また、ラベルがあることで、かえって中身をよく見ずに判断してしまう可能性もあります。
「AI生成」と書いてあるから疑う。
ラベルがないから本物だと思い込む。
そうした単純な受け止め方も危険です。

さらに、ディープフェイクが広がると、本物の映像まで「どうせAIだろう」と疑われることがあります。
偽物を疑う姿勢が身につく一方で、本物かどうか信じるのが難しくなってしまうのです。

日本ではどうなっているのか

日本でも、ディープフェイクやAI生成コンテンツの悪用は問題になっています。

ただ、現時点では、こういった悪用を直接まとめて規制する法律が整っているとは言えません。
内容によっては、詐欺、名誉毀損、著作権侵害、肖像権やプライバシーの侵害など、既存の法律で対応することになります。

今後、日本でもAIで作られたコンテンツをどのように表示し、どう扱うのかが大きなテーマになっていくはずです。

まとめ

AIラベルは、本物かどうかを考えるきっかけになります。
ただし、「ラベルがあるから安心、ないから本物」とは言い切れません。

発信元はどこか。
他の情報源でも確認できるか。

生成AI時代には、見た目だけで判断せず、少し立ち止まって確かめる姿勢が大切です。