AWS CLIで情報を出力しようEC2編(Linux版-その1)

1. AWS CLIを利用すると色々なリソース情報が見れます!

AWS EC2をコンソールから作成し、管理するサーバが多くなったら、一覧が欲しいですよね。
コンソールでは、分かり難いし、一覧を管理したい。そこで、AWS CLIコマンドを利用すると
EC2のリソース情報を取得し、且つ、必要な情報に絞って出力するように出来ます。
今回はEC2の情報を出力してみます。

2. まずはAWS CLIをインストールしよう!

Linuxのコンソール画面で以下のコマンドを実行してインストールします

$curl https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-x86_64.zip -o "awscliv2.zip"
$unzip awscliv2.zip
$sudo ./aws/install

3. AWS CLIを使ってみよう!

3.1 AWS CLI のバージョンを確認する!

aws --version
aws-cli/2.4.15 Python/3.8.8
 
最新でなかった場合はバージョンアップしましょう
バージョンアップ方法は以下です

3.2 AWS CLIのバージョンアップ方法!

curl https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-x86_64.zip -o "awscliv2.zip"
unzip awscliv2.zip
sudo ./aws/install --update 
aws --version
aws-cli/2.4.29 Python/3.8.8

2022/03/28時点で最新バージョンです
詳しくは、以下を参照 AWS CLI 最新バージョンをインストールまたは更新する https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/cli/latest/userguide/getting-started-install.html

3.3 利用中のリージョンでec2 インスタンスの情報をすべて出力してみよう!

利用中のリージョンに存在するEC2インスタンスのすべての情報を出力するには以下のように記述します SQLの  select * from ec2 みたいなものです

aws ec2 describe-instances

画像A 出力結果
                 画像A 出力結果

Json形式で どばーっと出力されます

3.2 出力する情報を絞りこんでみよう!

上記コマンドでは沢山の情報が出力されるのでqueryオプションを使用して情報を絞り込みます
Sqlの select name,OS from EC2 みたいなものです。EC2名とOSに絞り込みます

aws ec2 describe-instances \
--query "Reservations[*].Instances[*].[{OS:PlatformDetails,Name:Tags[0].Value}]" \
--out table 

画像B 2項目出力
                画像B2項目出力

queryオプションの設定は以下のようになります
Json形式で出力されるので、これを踏まえて絞り込む内容を記述します
まず、Reservations[*].Instances[*]   (画像C 階層) トップレベルがReservations
一つ下の階層がInstances これがリスト[]になっているので、
すべてを対象にする為に、Reservations[*].Instances[*] と指定します
更に下の階層(画像D PlatformDetails項目)の値と、
同じ階層にある(画像E Name項目)Tags:[0]リストの最初の項目Value値 を指定します
.[{OS:PlatformDetails,Name:Tags[0].Value}]
{key1:value,key2:value}のdict形式にフォーマットして、項目名と値を出力するようにする
--out table テーブル形式にすることで見た目が分かり易すくなります

画像C 階層
                  画像C 階層
画像D PlatformDetails項目
              画像D PlatformDetails項目
画像E Name項目
                 画像E Name項目

2.3 出力項目を増やしてみよう!(インスタンスタイプ)

aws ec2 describe-instances \
--query "Reservations[*].Instances[*].[{OS:PlatformDetails,Name:Tags[0].Value,Type:InstanceType}]" \
--out table

画像F 3項目出力
                 画像F 3項目出力

追加したqueryオプションの設定は以下のようになります
[{OS:PlatformDetails,Name:Tags[0].Value,Type:InstanceType}]"
下の階層の (画像G Instancetype項目) の値を追加して、出力するようにする

画像G InstanceType項目
               画像G InstanceType項目

2.5 出力形式をTEXTに変更してみよう!

aws ec2 describe-instances \
--query "Reservations[*].Instances[*].[{OS:PlatformDetails,Name:Tags[0].Value,Type:InstanceType}]" \
--out text

画像H Text形式
                 画像H text形式

Text形式で出力して、情報を加工し易くすることが可能になります

4 応用してみよう!

利用可能なインスタンスタイプ、アーキテクチャ、仮想化、プロセッサー、Hypervisorを
出力しよう。インスタンスタイプの変更可否(互換性)を確認したい場合に重宝します。

aws ec2 describe-instance-types \
--query "InstanceTypes[*].[{InstanceType:InstanceType,Hypervisor:Hypervisor, \
CPU:ProcessorInfo.SupportedArchitectures[0], \
Clock_Ghz:ProcessorInfo.SustainedClockSpeedInGhz}]" \
--out table

                 画像I 出力結果

5 感想

query を利用することで、必要な項目を絞ることができました。 jqを利用しても可能ですが、こちらを利用しても、同様のことができそうです。最初は書き方に悩みましたが、pythonのlist[],dict{}を連想すると、分かり易いです。次回はRDSの情報出力についてです。

参考URL AWS CLI の query による絞り込み
https://qiita.com/draco/items/fa09ae0c2f51de9de449

Linux版その2 RDSの情報出力  https://opt-p.co.jp/blog/aws/post-1718/

Linux版その3 VPCの情報出力  https://opt-p.co.jp/blog/aws/post-2080/

Linux版その4 色々な情報出力 https://opt-p.co.jp/blog/aws/post-2421/

【AWS】S3で2分55秒でWebサイトをインターネット上に公開する。

AWS S3

皆さんは、AWS S3の「静的ウェブサイトホスティング」という機能をご存じでしょうか?
この機能を利用すると、だれでも簡単にインターネット上にWebサイトを公開することができます。
また、普段からAWSを利用している人でも「知っているけど使ったことがない」という人が案外多いのではないでしょうか。(自分がそうでした
そこで今回、「どのくらい簡単なのか?」を

  • Webサイトが公開されるまでの時間

を計測しながら、実際に検証してみたいと思います!

1. 静的ウェブサイトホスティングとは


そもそも 静的ウェブサイトホスティング とは何なのかと言うと

静的ウェブサイト → いつ・どこで・だれがアクセスしても変わらないWebサイトのこと。
ホスティング   → WebサイトやWebアプリケーションをインターネット上で一般公開すること。

つまりは

「いつ・どこで・だれがアクセスしても変わらないWebサイトをインターネット上に一般公開すること」

ことになります。

ちなみに、この逆でGoogleなど検索結果によって表示される内容が変わるものを動的ウェブサイトと言います。
そして、今回検証するS3の「静的ウェブサイトホスティング」というのは

「S3を利用すれば、いつ・どこで・だれがアクセスしても変わらないWebサイトをインターネット上に一般公開することができる」

という、S3にアクセスするとWebサイトが見れるようになる機能になります。

※イメージ図

2. 内容


今回の検証内容は、AWS公式チュートリアルの

を参考にします。

検証の前に一度こちらのチュートリアルを実践しました。 わかりやすく簡単でした。
検証のおおまかな流れは以下のとおりです

  1. 公開したいhtmlファイルを用意する。
  2. S3バケットを作成する。
  3. 静的ウェブサイトホスティング機能の設定をする。
  4. S3バケットへのアクセス権限設定をする。
  5. S3バケットに対してWebブラウザからアクセスする。

3. 検証


htmlファイルの用意

こちらのindex.htmlが、今回公開したいWebページのホームになります。
検証ですので最低限表示されるものを記述しただけになります。

こちらのerror.htmlは、今回公開するWebページがエラーの際に表示されるページになります。

(0:00) 開始

(0:01) AWSへログイン

(0:15) S3バケットを作成

S3コンソール画面から バケット を選択し、バケットを作成 を押します。

(0:17) S3バケット作成時の設定

バケット作成の設定は赤枠を設定しました。

① バケット名
作成するバケット名を入力します。
作成するバケット名は全リージョンで一意でなければなりません。

② AWSリージョン
バケットが作成されるAWSリージョンを選択します。
日本国内であれば東京や大阪を選びましょう。

③ パブリックアクセスをすべてブロック
パブリックアクセスの設定をおこないます。
今回は検証としてWebサイトを公開するのでこちらはチェックを外します。

④ 警告内容の承認
パブリックアクセスをすべてブロックをオフにしたことによる警告です。
S3内のWebサイトを公開するのでチェックを入れます。

そのほかはそのままで、ページ一番下の バケットを作成 を押します。

(0:50) 作成されたバケットの設定

無事S3バケットが作成されました。
この 作成されたバケット を選択します。

(1:00) 「静的ウェブサイトホスティング」の設定

プロパティタブ を選択します。

この時点では静的ウェブサイトホスティングが無効になっています。
静的ウェブサイトホスティングの 編集 を押します。

編集内容では赤枠を設定しました。

① 静的ウェブサイトホスティング
静的ウェブサイトホスティング機能の有無を選択します。
今回の目的の機能なので 有効にする を選択します。

② ホスティングタイプ
ホスティング機能の種類を選択します。
作成したバケットで公開するので 静的ウェブサイトをホストする を選択します。

③ インデックスドキュメント
公開したいWebサイトのホームとなるページ名を入力します。
最初に作成したファイル名のindex.htmlと入力します。

④ エラードキュメント
エラーの際に表示されるページ名を入力します。
オプションになっているため入力しなくても問題ありませんが
検証のためこちらにも、最初に作成したファイル名のerror.htmlを入力します。

そのほかはそのままで、ページ一番下の 変更の保存 を押します。

(1:40) WebサイトのURLを確認。

先ほどの設定が反映され、静的ウェブサイトホスティングが有効になりました。
この、バケットウェブサイトエンドポイントに表示されているURLがWebサイトのURLになります。

(1:45) バケットポリシーの設定する。

アクセス許可タブ を選択します。

この時点ではまだ何もポリシーが設定されていません。 バケットポリシーの 編集 を押します。

上記ポリシーのバケット名の部分を作成したS3バケット名に変更します。
このポリシーは、指定したバケット内のオブジェクト(ファイル)に対してGETアクションを可能にさせます。
このポリシーを設定して 変更を保存 を押します。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "PublicReadGetObject",
            "Effect": "Allow",
            "Principal": "*",
            "Action": [
                "s3:GetObject"
            ],
            "Resource": [
                "arn:aws:s3:::バケット名/*"
            ]
        }
    ]
}

ポリシーに問題なければ先ほどの画面にポリシーが表示されます。

(2:17) htmlファイルをS3バケットへアップロードする。

作成したバケットにindex.htmlとerror.htmlをアップロードします。

(2:55) WebサイトのURLへアクセス

先ほど確認した、バケットウェブサイトエンドポイントに表示されているURLをクリックすると…
無事index.htmlの内容が表示されました!!
記録は2分55秒 たったこれだけの時間でWebサイトが公開できてしまいます。AWS恐るべしですね。

また、存在しないアドレスを入力した際にはerror.htmlが表示されます。


5. あとがき

今回、S3の「静的ウェブサイトホスティング」の機能ではに簡単にWebサイトを公開することができました。
また、今回はWebサイトのURLをバケットウェブサイトエンドポイントの値そのままで使用しましたが、AWSの他サービスと連携することによりドメインの変更することも可能です。

次回はそのドメイン変更を「S3静的ウェブサイトのドメインを変更する」で実施してみたいと思います。

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